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- コスモエネルギーホールディングス株式会社
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今回は、同社が提供する法改正の見落とし、対応漏れによる法令違反を防ぐサービスである「法令アラート センター」を導入しているコスモエネルギーホールディングス株式会社にその導入経緯、魅力、活用方法等につ いてお話を伺った。
コスモエネルギーホールディングス株式会社
法務総務部 法務グループ 法務グループ長 工藤伸明氏
法務総務部 法務グループ 山崎裕子氏
──貴社の業態と法務部門の業務分掌、法務担当の人数を教えてください。
業態は、石油精製部門のコスモ石油株式会社と販売部門のコスモ石油マーケティング株式会社、石油開発部門のコスモエネルギー開発株式会社の3つの事業会社を中核とし、その統括・管理を行う持株会社が当社になります。法務グループの人数としては現在実働5名で、産休育休中の者を含めると8名の規模です。業務分掌としては、各部署、各子会社からの法務相談対応と、決裁の審査が主要な業務です。法務相談は中核子会社3社からが中心となりますが、その他主要な子会社からも受けています。
──日頃、リーガルリサーチにどのように取り組まれていますか。
Westlaw Japanの法令、判例検索を使用しています。 他に法務関連書籍の電子版サブスクのような媒体を利用し、情報収集しています。主に法務相談を受ける立場なので、各社各部署からのトラブル事案や、契約書チェックのようなさまざまな相談に対応するためのツールとして活用しています。
──「法令アラートセンター」の導入経緯と理由、活用方法を教えてください。
もともと当社と、中核子会社3社の主要な各部署にて法令アラートは利用していました。昨年、当社グループにおいて、法令改正に対応する社内ルールを改めて整備することとなり、法令改正対応要領の社内規程を制定しました。各社各部署がしっかり法令改正の情報を得て、自分たちが主管する規程やマニュアル等を見直すためのツール、情報収集の手段として、「法令アラートセンター」を子会社も含め導入しました。活用方法ですが、各社各部署の共有アドレスをアラートメールの配信先に設定し、各部署の担当者が随時メールを確認の上、業務に関わる法改正の情報を部内で共有したり、規程やマニュアルを見直すためのきっかけとしての活用が一番多いと思います。
──貴社での法令アラートセンターの対象法令を差し支えのない範囲で教えてください。
当社ではさまざまな事業を展開していますので、関係法令が多岐にわたっています。事業部門でいうと例えば、石油事業ですと、製油所の安全に関する各種法令、消防法や備蓄法などと業界ならではの法令もあれば、近年注力している風力発電事業では環境規制の法令等のニーズがあったりします。一方で管理部門の法務部門では、会社法、民法、独占禁止法、行政手続法、再生可能エネルギーに関する法令等を対象としていますし、経理部門では揮発油税に関する法令、人事部門では労働法等、各部署で業務に関わる対象法令を個別に選択しています。
──「法令アラートセンター」の魅力、利点について教えてください。
やはり各社各部署で業務に密接した法令を選択してアラートをかけられるというところが一番の魅力です。法改正に関する情報を見落としがちなところもありますので、アラートをきっかけに気づき、対応できる状態になることの安心感はあります。定期的にアラートメールを見ることにより、法令改正で対応が必要だという意識づけができるのが利点だと思います。手堅く確実に、しかも手軽に最新の法改正に関する情報を得られる手段として活用できている点が、ありがたいと思っています。
──「法令アラートセンター」の改善点について教えてください。
法令アラートセンターは、法令検索サービスなどが細かく検索設定もでき大変便利です。一方アラートメール文に、多くの文字情報が盛り込まれていますので、読み慣れないととっつきにくいかなという印象はあります。しかし、一度読み慣れてしまえば、改正情報のリンク先や主要な情報が書いてあり分かりやすく便利です。当社の場合、アラートメールを見ているのが法務部門だけではありませんので、法令にあまり触れない事業部門の人たちにとっては読み慣れるまでは難しいのかなという感覚はあります。メール本文の見やすさ、あとは検索画面の見やすさ等、法令にあまりなじみのない人たちが、ぱっと見て、すっと読めるような仕様をご検討いただけるとありがたいです。
──今後、法務業務のDX化はどのように推進されますか。
差し当たり、法務部門が主管している、決裁の審査や決裁権限規程に関連する相談をFAQやチャットボットで対応できるような仕組みの構築を進めているところです。その仕組みがうまく軌道に乗れば、契約書関連の一般的な質問や、法務相談もそこに載せていきたいと考えています。あとは法務部門内でのナレッジの共有、ナレッジマネジメントです。まだまだ属人的な部分がありますので、まずは法務部門内で担当者間のナレッジを蓄積共有するということを始めて、将来的には事業部門にそのナレッジを公開して、事業部門である程度解決できる姿に持っていくのが理想かなと思っていますが、まだまだこれからです。
──「法令アラートセンター」の進化を含め、WestlawJapanに今後どのようなことを期待されますか。
先ほどの改善点で申し上げましたが、事業部門が見ても、情報が取りやすい、わかりやすいといった点が期待するところです。手軽にメールのリンクをクリックすれば、その情報にアクセスできる、手軽に新しい法改正に関する情報を得ることができるところが、本当にありがたい機能なので、引き続き活用させていただきたいと思っています。また、貴社では、さまざまなテーマでの公開セミナーを開催されており、内容もわかりやすく、資料もありがたく参考にさせていただいていますので、今後もぜひ利用させていただきたいと思っています。